属人化のメリット・デメリットとは? IT ガバナンスを実現するための 7 つのポイントを解説!

属人化のメリット・デメリットとは? IT ガバナンスを実現するための 7 つのポイントを解説!

属人化技術ブログ

属人化のメリット・デメリットとは? IT ガバナンスを実現するための 7 つのポイントを解説!

属人化は決して他人事ではなく、あらゆる企業で発生する可能性がある事柄です。そして、属人化にはメリット・デメリットがそれぞれ存在することをご存知でしょうか?

本記事では、属人化のメリット・デメリットに加えて、属人化の回避に役立つ IT ガバナンスを実現するための方法を解説します。 IT ガバナンスについて理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

属人化とは、業務やシステムが特定の個人に過度に依存している状況を意味する言葉です。

特に、専門性の高いエンジニア領域では、業務の属人化が起こりやすい傾向にあります。これは、日本が慢性的な IT 人材不足であり、エンジニアをはじめとした専門職の一人あたりの業務量が多くなるためです。

その結果、特定のエンジニアに様々な業務が集中してしまい、業務やシステムの属人化に繋がります。一般的には「一人情シス」という言葉が頻繁に使われますが、この一人情シスも属人化の典型的な例だと言えます。

なお、属人化には様々なメリット・デメリットが存在しますが、一般的には、属人化は回避すべきものとして捉えられることが多くなっています。

本章では、属人化のメリット・デメリットについて解説します。属人化に対する理解を深めるために、ぜひ内容を理解しておきましょう。

メリット

業務・システムが属人化することで、特定の担当者が毎回同じ作業を対応します。これにより、徐々に業務に慣れることで、作業効率の向上に繋がります。

また、属人化した業務を対応する担当者は貴重な存在であるため、周囲のメンバーから必要とされる傾向にあります。これにより、担当者の自己肯定感やモチベーション向上に直結する点も、属人化のメリットの一つであると言えるでしょう。

デメリット

業務が属人化することで、特定の担当者に様々なタスクや業務が集中します。その結果、 ES ( Employee Satisfaction :従業員満足度)の低下に繋がり、最悪の場合は担当者が離職してしまうリスクがあります。

また、業務属人化が起きると、特定の担当者が一人で仕事を進めるため、その担当者のみにノウハウが蓄積されます。その結果、会社にノウハウを蓄積し、組織全体で共有することが困難になる点も、属人化のデメリットの一つとして挙げられます。

ここまで、属人化の概要やメリット・デメリットについて解説しました。それでは、なぜ属人化が発生するのでしょうか?

本章では、属人化が発生する原因を 3 つご紹介します。

業務マニュアルが存在しない

業務やシステムのオペレーションが存在しないことは、属人化を引き起こす一因になります。マニュアルが存在しない場合、特定の担当者が過去の経験や自身の判断に頼って仕事を進めてしまうため、他の人が業務をフォローしたり、後から内容を把握したりすることが困難になります。

社内システムがブラックボックス化している

システムのブラックボックス化とは、システム構造が煩雑で他の人が中身を理解できなくなることを意味します。特に、何度も複雑なカスタマイズを繰り返した場合、そのシステムはブラックボックス化しやすい傾向にあり、構築した本人以外がシステム構造を把握することが困難になるため、属人化に繋がる可能性が高まります。

IT ガバナンスが整備されていない

IT ガバナンスとは、 IT の活用により顧客や社員に対する企業価値を最大化するための行動を意味する言葉です。

IT ガバナンスの具体例としては、

  • 組織体制の改善
  • システム運用体制の構築
  • ガイドライン策定

などが挙げられます。

IT ガバナンスが適切に整備されていない場合、自社の生産性向上は遠のいてしまい、結果として業務属人化が発生するリスクも高まります。

ここまで、属人化が発生する原因についてご説明しました。本章では、属人化を解消するための方法を解説しますので、自社で取り組む際の参考にしてください。

業務マニュアルを作成する

属人化を回避するためには、業務マニュアルが有効な手段になります。担当者が自己判断で業務を進めることがないように、業務・システムのオペレーション手順をマニュアルなどにまとめ、誰が対応しても同じパフォーマンスを発揮できるような仕組みを構築してください。

社内システムを分かりやすく整理する

前述した通り、システムのブラックボックス化は属人化に直結するため、極力シンプルなシステム構成にしたり、カスタマイズ内容を資料にまとめたりするなど、ブラックボックス化を回避するための工夫が必要になります。社内システムの棚卸を実施し、社員が自社システムの全体像を把握しながら作業を進められるように意識してください。

IT ガバナンスを適切に実践する

IT ガバナンスを適切に実践することで、自社の業務効率化や生産性向上を実現でき、結果として属人化の回避に繋がります。次章で IT ガバナンスを実現するためのポイントを解説していますので、ぜひ参考までにご覧ください。

最後に、 IT ガバナンスを実現するためのポイントを 7 つご紹介します。自社で実践する場合に備えて、内容を理解しておきましょう。

IT 戦略とシステムの整合性

IT ガバナンスを実現するためには、自社の IT 戦略とシステムの整合性が重要なポイントになります。両者の間に乖離がある場合、想定していた成果を得ることが難しくなるため、まずは IT 戦略のゴールや目的を明確化し、それらを達成するための適切な IT システムを導入してください。

組織体制の改善検討

IT ガバナンスを実現する上では、 IT を有効活用するための組織づくりが必要不可欠です。営業部門や業務部門、情報システム部門など、様々な部署が効率的に業務を進められるような組織体制を検討してください。この時、社員研修などを開催して社員の IT リテラシーを高めることも、 IT ガバナンスを目指すための有効な手段になります。

業務の実態把握

IT ガバナンスの主な目的として、 IT 導入による業務効率化や生産性向上などが挙げられますが、これらを実現するためには、 IT をどの業務に活用するのかを明確化する必要があります。そのため、まずは業務の実態把握を行い、 IT を導入すべき業務領域を慎重に検討してください。これにより、自社業務の最適化や属人化の回避に繋がります。

コストの見える化

IT ガバナンスを推進するためには、 IT ツールの導入費用や社員に対する外部研修の費用など、様々なコストが発生するケースが一般的です。そのため、 IT ガバナンスの実現にかかるコストを事前に見える化し、導入効果を踏まえて費用対効果で投資判断を行うことが重要なポイントになります。

システムの運用体制構築

IT ガバナンスの実現には、システムを継続的に利用するための運用体制の構築が求められます。例えば、どれくらいの人数でどのようにシステムを運用するかなど、具体的な運用体制を検討してください。この時、業務の作業手順や障害発生時の対応方法などをマニュアルにまとめて、属人化を回避するための工夫を施すことが重要なポイントになります。

リスクコントロール

近年、企業を狙ったサイバー攻撃は高度化かつ多様化しています。そのため、自社のシステムを守るためのリスクコントロールも、 IT ガバナンスの重要な役割の一つになります。まずは想定される脅威を洗い出し、万が一の事態に備えて、あらゆる観点からセキュリティ対策を講じることが大切です。

ガイドラインの策定

IT ガバナンスを実現するためには、従来のルールや社内規定などを見直し、自社の状況に合わせて新しいガイドラインを策定する必要があります。この時、ガイドラインを作成するだけではなく、社員への周知や説明会などを開催し、社員全員がガイドラインを遵守できるような取り組みを並行して行うことも重要なポイントになります。

本記事では、属人化のメリット・デメリットに加えて、属人化を回避するための IT ガバナンスを実現するための方法を解説しました。

属人化には様々なメリット・デメリットが存在しますが、企業にとっては属人化によるリスクは大きいため、極力回避すべきだと言えるでしょう。また、属人化が発生する原因は多岐にわたるため、この記事を読み返して、属人化が起きる原因と解消するための対策について理解しておいてください。

そして、属人化を回避するためには、 IT ガバナンスの実践が有効な手段になります。 IT ガバナンスを実現することで、適切な組織体制を構築できたり、リスクコントロールで自社システムを守れたりするなど、様々なメリットを享受できます。

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