こんなにあるの? Google Cloud の AI サービス 13 選を一挙に紹介!
昨今、ビジネスシーンにおける AI 活用は一般的なものとなっており、多くの企業が AI を活用して自社の業務効率化や生産性向上に繋げています。市場には様々な AI サービスが存在しますが、 Google Cloud にも複数の AI サービスが搭載されていることをご存知でしょうか?
本記事では、 Google Cloud の AI サービスの特徴やできること、具体的なサービス内容などを一挙にご紹介します。自社で AI 活用を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
Google Cloud の AI サービスの特徴
Google Cloud とは、 Google が提供しているパブリッククラウドサービスであり、全世界で多くの支持を集めている IT ツールです。多彩な機能が Google Cloud の特徴となっており、データベースやストレージなど、様々な機能が搭載されています。
そして、 Google Cloud には、 AI 関連のサービスも数多く備わっています。本章では、 Google Cloud の AI サービスの特徴について解説します。
なお、 Google Cloud に関しては、以下の記事でわかりやすく解説しています。
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Google の高機能な AI を活用できる
Amazon 社の「 Amazon Web Services ( AWS )」や Microsoft 社の「 Microsoft Azure 」など、生成 AI を開発できるクラウドサービスは複数存在しますが、 Google Cloud は高度な AI ・機械学習の技術を採用している点が大きな特徴です。
その理由としては、 Google が保有する「 Google 検索エンジン」が挙げられます。 Google は、自社の検索エンジンによって膨大なデータセットを保有しており、これらを機械学習モデルのトレーニングに活用することで、高精度な予測・解析を実現しています。
また、 2023 年 12 月には、 Google の新しい生成 AI モデルとして「 Gemini 」がリリースされました。 Gemini はマルチモーダル(テキストや画像、動画、音声など、様々なデータを入出力できる)特性を備えた最新の生成 AI モデルであり、複数のデータ形式を扱えるように開発されています。
このように、 Google は AI ・機械学習の領域において、常に市場の最先端を進んでいます。 Google の高機能な AI を活用できる点は、企業にとって大きなメリットの一つになると言えるでしょう。
AI モデルを自由にカスタマイズできる
Google Cloud に搭載されている「 Vertex AI 」を活用することで、自社の状況に合わせて AI モデルを自由にカスタマイズできます。また、「 Generative AI Studio 」を使えば、プログラミングの知識がなくてもモデルをチューニングすることが可能になります。
このように、柔軟かつ簡単に AI モデルをカスタマイズできる点は、 Google Cloud の大きな魅力の一つだと言えます。 AI モデルを自由自在にカスタマイズ・チューニングすることで、様々なビジネスシーンにおいて AI の新たな可能性を発見できることでしょう。
新サービスが次々に追加されている
Google Cloud では、新しいサービスが次々に追加されています。例えば、 2023 年 5 月に開催された「 Google I/O 2023 」では、 AI 関連の様々な新規プロダクトが発表されました。
加えて、 2023 年 8 月 の「 Generative AI Summit 」では、 PaLM 2 や Codey の日本語対応が発表され、サービスの利便性がさらに向上しました。このように、 Google Cloud は新規プロダクトの追加や機能アップデートが頻繁に行われるため、常に最先端の AI テクノロジーを自社で活用できます。
生成 AI に関するサービスが多数搭載されている
生成 AI ( Generative Artificial Intelligence )とは、機械学習の一分野であり、コンピュータープログラム自身がデータや情報を新しく生成する能力を有した、次世代の AI を意味する言葉です。昨今、世界を賑わせている ChatGPT も生成 AI として位置付けられているサービスです。
そして、 Google Cloud には、従来の AI サービスだけではなく、生成 AI に関するソリューションも多数搭載されています。例えば、 Bard や Imagen 、 Conversation AI などが Google Cloud の生成 AI サービスに該当します。
これらを活用することで、ビジネスシーンにおける AI 活用の幅を広げることができ、自社の生産性向上やビジネス成長に繋がります。このように、生成 AI に関するサービスが多く備わっている点も、 Google Cloud の AI サービスの特徴だと言えるでしょう。
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Google Cloud の AI サービスでできること
ここまで、 Google Cloud の AI サービスに関してご説明しましたが、具体的にどのようなことを実現できるのでしょうか?本章では、 Google Cloud の AI サービスでできることについて、代表的なものをいくつかピックアップして解説します。
高精度な翻訳
昨今、グローバル化が急速に普及していることに伴い、翻訳に対するニーズが高まっています。そして、 Google Cloud の AI サービスを活用すれば、自然言語で入力したテキスト情報を AI が読み取り、適切なニュアンスで他言語に翻訳した文章を返してくれます。
翻訳精度は AI のスペック・機能に大きく左右されますが、 Google の高機能な AI を使うことで、高精度な翻訳を実現可能になります。なお、翻訳に利用できる Google Cloud の AI サービスとしては「 Cloud Translation API 」などが該当します。
高精度な画像認識・検索
Google Cloud の AI サービスを使えば、画像の認識・検索を手間なく行うことができます。 Google の画像検索を使ったことがある方も多いと思いますが、検索したい画像に関連するキーワードをテキスト入力することで、その内容にマッチした適切な画像を表示してくれます。
そして、画像検索の精度は年々向上しており、今後様々なシーンでの活用が期待されています。なお、画像認識に利用できる Google Cloud の AI サービスとしては「 Cloud Vision API 」などが該当します。
問い合わせ対応の自動化
従来、顧客からの問い合わせ対応は、人間が電話・メールなどを用いて手動で行っていました。しかし、 Google Cloud の AI サービスを活用することで、届いた問い合わせに対して AI が自動的に回答を返してくれます。
これにより、社員は利益に直結する重要性の高い仕事に集中でき、結果として自社のビジネス成長に繋がります。なお、問い合わせ対応に利用できる Google Cloud の AI サービスとしては「 Conversation AI 」などが該当します。
Google Cloud の AI サービス 13 選
本章では、 Google Cloud に搭載されている AI サービスをご紹介します。どのようなサービスがあるのか、具体的な内容を見ていきましょう。
なお、今回ご紹介するサービスは、生成 AI サービスの記事でご紹介したサービスは割愛させていただきます。
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Vertex AI
Vertex AI とは、 Google が提供しているマネージドな機械学習のプラットフォームであり、 Google Cloud に内包されている AI サービスの一つとなっています。
Vertex AI を活用することで、
- 機械学習 API の活用
- 機械学習モデルの保存
- 機械学習モデルのデプロイ
- 予測のリクエスト
など、機械学習における様々な作業を行うことが可能です。
Vertex AI には、数多くの機械学習ツールが内包されているため、様々な機械学習のタスクを一気通貫で実行でき、専門知識を持たない人でも直感的に操作可能なため、ビジネスシーンで機械学習を活用する場合には、 Vertex AI が心強い武器の一つになると言えるでしょう。
Vertex AI に関心のある方は、以下の記事で詳しく解説しています。
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TensorFlow
TensorFlow とは、 Google が提供するソフトウェアライブラリであり、ニューラルネットワーク(人間の脳の働きと同じようにデータを処理するための仕組み)の技術を活用して、様々な計算処理やシミュレーションを行うことができる AI サービスです。高速で計算できる点が TensorFlow の大きな特徴であり、複雑な計算でも短時間で答えを返してくれます。
BigQuery ML
BigQuery ML とは、 BigQuery 上でロジスティック回帰や線形回帰などの分析を行うことができる AI サービスです。なお、 BigQuery とは、 Google Cloud に搭載されているデータウェアハウス( DWH )であり、超高速なデータ処理が特徴のサービスです。 BigQuery ML を使えば、複雑かつ膨大なデータを短時間で処理・分析できるため、その分析結果をビジネスに反映することで、自社の課題改善やビジネス成長に繋げることが可能になります。
Cloud Natural Language API
Cloud Natural Language API とは、ユーザーが入力したテキスト(文章)をもとに感情を分析できる AI サービスです。例えば、顧客から届いた声を Cloud Natural Language API で分析すれば、その内容がポジティブ・ネガティブのどちらに該当するのかを分析でき、その結果をもとにサービス改善に繋げることで、解約阻止や顧客満足度の向上などを実現できます。
Cloud Speech-To-Text API
Cloud Speech-To-Text API とは、音声データをテキストに変換できる AI サービスです。音声の認識精度が高いため、出力されるテキストは違和感のない内容になりますし、様々な言語に対応可能な点も Cloud Speech-To-Text API の大きな特徴です。例えば、動画の音声データをもとに字幕を作成したり、会議における議事録作成を自動化したりするなど、様々なシーンで便利に使うことができます。
Cloud Text-To-Speech API
Cloud Text-To-Speech API とは、テキストデータを音声に変換できる AI サービスです。ユーザーが入力したテキスト情報の中身を AI が読み取り、その内容を音声データに変えてくれるため、対話型の音声ボットなどに応用することが可能です。さらに、電話やテレビなどの家電と組み合わせて使うことで、 IoT 機器として使うような用途も考えられます。
Cloud Translation API
Cloud Translation API とは、テキストを翻訳できる AI サービスです。任意の文章を AI に読み込ませることで、その内容を好きな言語に翻訳することが可能です。世界中の様々な言語に対応しているため、グローバル化が進む現代においては、あらゆるシーンで有効に活用できることでしょう。
Cloud Video Intelligence API
Cloud Video Intelligence API とは、任意の動画から様々な情報を認識・抽出できる AI サービスです。例えば、動画に映り込んでいるオブジェクトや、そのシーンがどこで撮影されているのかといった場所の情報まで、あらゆる要素を自動的に認識してくれます。また、ローカル環境に保存されている動画だけではなく、ストリーミング動画も対象にできるため、動画を扱う際にはとても便利なサービスとなっています。
Cloud Vision API
Cloud Vision API とは、画像データから様々な情報を取得できる AI サービスです。前項でご説明した「 Cloud Video Intelligence API 」の画像版だと考えるとイメージしやすいでしょう。 Cloud Vision API は Google 独自の機械学習モデルを採用しており、高精度な画像認識を実行可能なため、ビジネスシーンでも有効に活用できます。
Document AI
Document AI とは、ドキュメント内容をもとに詳細な分析情報を取得できる AI サービスです。これにより、面倒なタスクの自動化やデータ抽出の効率化などを実現できます。また、 Document AI は、ドキュメントタスク用に調整された最新の基盤モデルを採用しており、高精度かつ高速な情報抽出が可能な点が大きな特徴となっています。
Dialogflow
Dialogflow とは、手間なく簡単に AI チャットボットを作成できる AI サービスです。 Google の最先端の AI が搭載されており、直感的で豊かな会話を行う AI チャットボットを構築できます。また、プログラミングなどの専門知識なしで作業を進められるため、初心者でも安心して使える点が嬉しいポイントです。
Discovery AI
Discovery AI とは、自社が保有する膨大なデータに対して、 Google の高精度な検索やレコメンデーションの機能などを適用できる AI サービスです。例えば、 Discovery AI を EC サイトに活用することで、ユーザーの検索意図に基づいた結果表示や、ニーズに合わせたレコメンデーションなどを実現できます。これにより、顧客の満足度向上やクロスセル・アップセルの促進に繋がります。
Google Cloud の AI サービスを活用する際のポイント
最後に、 Google Cloud の AI サービスを活用する際のポイントについて解説します。ぜひ、自社で実践する際の参考にしてください。
AI の利用目的・用途を明確化する
前述した通り、 Google Cloud に搭載されている AI サービスは多岐にわたります。そのため、用途や目的を決めずに AI 活用を検討する場合、適切なサービス選択は困難になり、思うような効果を得ることはできません。まずは、自社が解決したい課題を洗い出し、どの領域のどの業務に AI を活用するのかを明確化することが大切です。
プライバシーとセキュリティの確保
Google Cloud の AI サービスを活用する際には、プライバシーとセキュリティの確保が重要なポイントになります。特に個人情報を扱う場合などは、適切なデータ保護の措置を講じることが求められるため、社内で厳密なプライバシールールを設けたり、セキュリティを強化するための仕組みを整備したりするなど、 AI を安全に利用するための環境整備に取り組んでください。
AI に関する知見を有した IT 人材を確保する
Google Cloud の豊富な AI サービスを使いこなすためには、 AI に関する知見を有した IT 人材が必要不可欠です。しかし、日本では慢性的な IT 人材不足が続いており、優秀な人材を確保することは困難だと言えます。
そのため、中途採用が難しい場合には、既存社員に対して教育を施し、 IT 人材化することも視野に入れて動くと良いでしょう。なお、当社センティリオンシステム 大阪事業所では、 Google Cloud に特化したスキルアップのサポートメニューを多く提供していますので、関心のある方は問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
まとめ
本記事では、 Google Cloud の AI サービスの特徴やできること、具体的なサービス内容などを一挙にご紹介しました。
企業が Google Cloud の AI サービスを活用することで、高精度な翻訳や問い合わせ対応の自動化など、様々なメリットを享受できます。この記事を読み返して、具体的なサービス内容や活用時の注意点などを理解しておきましょう。
当社センティリオンシステム 大阪事業所はこれまでの多くのクラウド開発を支援してきた知見を活かし、クラウドを活用した内製化に取り組まれるお客様を全力でサポートします。
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